(422) モンゴル日記(137)

モンゴル日記 モンゴル日記

【 控えめな雷 】

 ウランバートルで、稲光や雷鳴にまぢかで出くわした。この国に通いはじめて6年、初めてのことである。

 それは天候の急変から始まった。南東側に黒い雲が発生し、空の半分を覆ってきた。ときどき小さな雷鳴が響き、弱い稲光が走った(写真左)。それに対して、南西側は写真右のようにまだ青空が見えていた。つまり 同じウランバートルの空でも、こんなふうに東と西で極端に違う様相を見せたのだ。だから、ちょっと驚いた。この国でもこんな天気になることがあるんだ!

 近くのスーパーに夜の買い物に出かけていて、その帰りだった。雲足が速くなっていた。空がしだいに暗くなってきて、遠くで稲妻が光りだす。「こりゃあ雨がやって来るな」。足早にアパートへ戻る。そして、部屋に入りベランダから撮った写真がこの2枚である。午後8時過ぎだった。

 けれど 日本(新潟)のように、雷鳴や稲妻がますます近づき、落雷にまで至るというようなことにはならなかった。拍子抜けするような、おとなしくて控えめな雷でやがて遠ざかった。

 この国の天候は最近の日本のそれのように、急変や災害をもたらすような度を越す異常はないようだ。局所的に激しい降雨が襲ったり、竜巻が発生するといった現象も聞いたことがない。地震も含め、自然災害が少ない国土だと思う。

冬の寒さはかなり厳しいものの、大雨も台風もないモンゴル。日々好日、日々感謝。 (K.M)