(683) モンゴル日記(398)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて146 】

 以前述べた植物だが、たまたまこの草原でも咲いていた。個性派なので再び紹介しよう。

 まず上の写真の植物。(写真がボケていて失礼!)花はデルフィニウムだろう。実はこれには既に、行くときに出会っていた。調べてみると、(562)号ではこれについて写真も載せて書いていたのだ。印象が強かったので覚えていた。

 青系でなく、このようにこげ茶色のような花色。けれど今回,写真右下のつぼみをよく見たら、少し青みを帯びている。だから蕾のうちは青っぽいが、花が開くに従い,こんなくすんだチョコレート色に変化していくのだろう。前回は行きだったので時間がなく、クルマから降りて撮影しただけ。でも記憶をたどっていくと、今回下ってきた川をはさんだ反対側あたりでそれを発見していた。だから,分布域がこの辺りなのだろう。

 さて下の写真である。これも以前に紹介した花だ。キンポウゲ科のトリカブト属(Aconitum属)の植物である。白と表現するよりはクリーム色と言うべき花色だが、れっきとしたトリカブトの仲間。ただモンゴルでは伝統的な薬用植物として利用されてきたようだ。背丈があって優しい草姿と花色なので、ここの草原でもやはり目についた。

 ところで朝のうち、辺り一帯には夜露が残っていた。これは多くの植物たちには命の露なのかも知れない。

 日々静かな感動、日々やわらかな充実感。 (K.M)