(294) モンゴル日記(21)

モンゴル日記

モンゴル日記

【搭乗前 そして搭乗後】

 写真上は、ウランバートルのチンギスハーン空港ちかくの山並みである。土色の部分が増してきた。「おっ、ようやく春めいてきたな」と、思わず撮影。左下に写っているのは飛行機の尾翼だ。搭乗前のことである。

 写真下は搭乗後に機内で写したもので、被写体は朝青龍その人である。帰路 同じ飛行機に乗り合わせた。ただし、彼はビジネスクラスだった。はじめのうちは分からなかったが、エコノミークラスの後ろに座っていた日本人の女子大生たちが騒ぎ出したのだ。「あっ、本物のアサショウリュウよ」。

 彼女たちは、卒業旅行でモンゴルを訪問したのだという。卒業旅行先としてモンゴルを選ぶのは、かなり珍しいのではなかろうか。

 実は筆者、朝青龍に会ったのは2度目だ。2011年秋だったと記憶するが、ウランバートルのレストランで、家族連れの彼と出くわした。その時はもちろん、親友Bさんが一緒だったのだが、彼は朝青龍にお願いして写真にいっしょに納まってもらった。

 そのとき二言三言、彼とことばを交わした。「横綱、だいぶ細くなりましたね」「うん、20kgはやせたよ」「中田さんらと大震災の義捐金集めに、一生懸命のようで。日本の首相に代わって、お礼申し上げます」「うん。その関係で、あさってまた日本に行くんだよ」こんな会話だった。恥ずかしながら、あきれるくらい筆者も調子がよかった。けれど、彼に関する日本でのマスコミ報道と、筆者が受けた印象とはだいぶ違う。そんな悪い人物とは思えなかった。

モンゴルでも日々観察、日々見きわめ。 (K.M)