(453) モンゴル日記(168)

【 オフィスの鉢植え 】

 

 写真はいずれも、ある会社のオフィスに置かれた鉢植えである。数えたら30近くあった。多い方だろう。鉢の数はともかく、このような窓辺は事業所であれ家庭であれ、ウランバートルでは珍しくない。

 前にも書いたと思うが、こちらでは鉢植えの花が終わった後も、それを置いておくのがふつうだ。だから、至るところでこうした風景を目にする。そして、誰かが水やりをしていることに気づく。誰かが世話をしているのだ。親友B氏ご夫妻の場合、「鉢の植物を枯らさない」と自慢するのはBさん、実際にこまめに水を与えているのはどうやら奥さんらしい。

 ところで、こうした室内風景を見せつけられると、日本で花き園芸に携わっている者としては、ちょっと複雑な気持ちになる。花の消費が縮小傾向にある日本と比較してしまうのだ。なんだかんだ言っても、日本はまだまだ豊かだ。また、これまで確かな花文化が根づいていたと思う。それなのになぜ、最近は花を飾ること,花を贈る・贈られることが少なくなっているのだろうか。いろいろ要因はあろうが、心が貧しくなっているのだろうか。

 とにかく花と緑を身近に置いておくこと、室内で緑と共存すること。こうした感覚は、モンゴルの人々の多くが持っているようだ。事実上 半年は冬という彼らにはそれが自然であり、本能的にそうしたくなるのかも知れない。

日々花緑、日々好日、日々感謝。 (K.M)