(320) モンゴル日記(46)

モンゴル日記

モンゴル日記

【失敗したダリア栽培】

 4月にモンゴルに輸出した植物のうち、このダリアだけが極端に成績が悪かった。5品種300球を出荷したのだが、品種によって多少違ったものの、8割以上は育たなかった。これはまったく想定外である。

 写真はその悲惨な結果なのだ。場所はソヨーチ社の農場の第二温室。写真上は300鉢全体のようす、下は最も成績の悪かった品種の状況である。こんな風に、鉢から茎・葉を伸ばしているものがほとんどない。

 質の良い球根を送ったのだが、こんな結果になろうとは・・・。だいたい球根植物は、強制的に抑制あるいは促成といった特殊な栽培をしなければ、あるいは ひどい異常気象にでも見舞われなければ、何とか育つものなのだ。よほどのことが無ければ、こんな事にはならない。しかし 置き場所に近づき、球根を植え込んだ鉢の表土を見て、その原因は想像がついた。水のやり過ぎである。超過湿なのだった。

 そこで、10鉢以上は掘り返してみたろうか。案の定、みんな過湿で球根がダメになっていた。完全に腐敗して、全体が軟らかくなっていたものが多かった。正直、ガックリ・・・。「うまくいけば、ガーデンセンターの夏の良い商材にできたのに・・・」。筆者の肩を落とした姿を眺めていたBさんは、「シャチョー、大丈夫ですか・・・」と声をかけてくれた。

 この温室では一律の自動灌水となっていて、手による水やりは事実上できなかったのだろう。それが原因だ。

でも、他の輸出植物は大半がうまくいったのだ、運が悪いなどどうして言えようか。日々好日、日々感謝。 (K.M)