(331) モンゴル日記(57)

モンゴル日記

モンゴル日記

【針葉樹の苗生産】

 写真は以前にもここで少し書いたが、ソヨーチ社生産の針葉樹の苗である。種をまいて発芽した幼木を育てたもの(実生苗)で、おそらく何十万本という数である。場所は同社農場の第二温室。D社長の話では、50万本以上はあるという。どうやら彼の造園事業への志向は、ますます強まっているようだ。

 写真上のように播種トレイで育った丈が数cmの幼木を、写真下のように深いポットに一本づつ植えつける。今回 農場を訪れたら、従業員の人たちがこの作業をしていた。ところで この特長(とくなが)ポットは、D社長が改良を加えたオリジナル品なのだそうだ。硬質ポットだが、どの点が既存のものと違うのか、聞きはしなかった。やはり中国で作らせた品物だという。

 モンゴルでも中国製品は至るところ、ほとんどの分野に入り込んでいる。このように花卉園芸の世界も例外ではない。ソヨーチ・ガーデンセンターでも、ドイツ製の剪定ばさみなど一部を除けば、多くの商品はmade in Chinaである。資材だけではない、切り花,鉢植えでもいちばん多いだろう。その中国産の花に対して、わが合弁会社「フジガーデン」は日本産あるいは日本オリジナルをアピールしていく戦略だ。とくにその品質と多様性は訴えていこうと考えている。

 ところで この何十万本というポット苗木も、もう少し大きくなったら、バヤン・チャンドマンに植えられることだろう。あの50haの広大な農場の一角に。

これらの苗の多くがさまざまな試練にも耐え、成木になることを願う。日々好日、日々感謝。 (K.M)