(581) モンゴル日記(296)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて44 】

北モンゴル最奥部を訪ねて44 -03

北モンゴル最奥部を訪ねて44 -04

 写真上・下の山はお分かりの通り,同じ山だ。裏側は見えないが、ほぼ三角錐のようなカタチをしているらしい。とにかく1度目にすると、忘れられない独特の山容である。全山これ岩肌といったようにも見える。

 これほどの”名山”なら名前はあるのだろう。博識なB氏に尋ねた。「あの山は昔から人々に知られてきました。それで名前はデルゲルハンガイ山といいます。高さは4,000mくらいはあるのかな。この数字は正確ではないかも知れません。でも,この山脈の中では最も高い山です」との答え。

 ふーん,なーるほど・・・まるで人を寄せつけないような容姿。それに何かしら別格といった雰囲気を持っている。筆者などは、なぜか”魔の山”というようなイメージさえダブらせていた。大山脈ではないものの、遠くの連山の中では唯一の単独峰で屹立していた。

 記憶をたどると、モンゴルでこんなに尖った山はこれまで見たことがない。今回を含めてこれまでは,いわゆる老年期というべきなのか、ゴツゴツしていない,なだらかな山々を多く目にしてきた。しかしこのデルゲルハンガイは違う。過ぎゆく雲もしたがえて、聳えていた。うーん,ともかく風格というか威厳のある山だわなァ・・・。

 「シャチョー、いつまで眺めてるの。行くよー!」B氏の声が聞こえてきた。と,この先にツアーの大変更が待っていた。日々楽観、日々悲観。 (K.M)