(582) モンゴル日記(297)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて45 】

北モンゴル最奥部を訪ねて45 -05

北モンゴル最奥部を訪ねて45 -06

 前号,前々号で述べてきたように、筆者は山岳風景をいわば味わっていた。しかし,そんな悠長な話ではなくなってきた。目的地にたどり着くまでの進路が、大変なことになっているらしい。道路状況である。

 Ba氏はまずこの涸れ川の下流,上流と歩き回っていた。川岸の状態を観察しながら、クルマが対岸に取りつく良い場所を探っていたのだ。その彼の表情がしだいに厳しくなってきた。どうやら,わがXトレイルを含め4台が右岸にうまく渡れる箇所が見つからないようだった。

 上流は泥土と砂利が現れていた。それが畝を立てたような有り様で、上の写真のとおりである。これだとここを突破できない。

 とその時,オートバイがタイガの方からやって来た。隊長Ba氏はそれを止めた。若い男女の二人乗りで、彼らは筆者たちが通り過ぎて来たあの町に行くとのこと。そこで、彼らが通ってきたここまでの道路状況を彼は尋ねはじめた。

 彼らの話によれば、数日前の大雨の影響で、道路や河川の状況が一変したという。この先も道路がかなり傷んでいてズタズタらしいこと。バイクでさえもここまで来るのに大変だったこと等々聞かしてくれた。

 結局,ここを横断できたとしても、先々には色んな障害が待ち受けているようだった。そこで隊長Ba氏は決断した。このルートと目的地を変更しようと。

 決めてからは早かった。日々決断、日々変更。 (K.M)