(295) モンゴル日記(22)

モンゴル日記

【日本に富士山、モンゴルには富士ガーデン】

 日本に近づいてきたら、空には霞がかかっていた。この写真は、おそらく長野県あたりの上空だと思う。北アルプス付近を過ぎて、手前の山並みは八ヶ岳連峰だろうか。そのはるか先、中央やや左の位置に富士山が見えた。遠くからでも、やはり神々しい。

 海外へ出かけていて、滞在を終え帰国の途につく。搭乗したその飛行機が、やがて日本に近づく。そうすると、その機内から富士山が望める場合がある。それは、気分の良いものだ。その姿を目にすると、一挙に郷愁めいたものも湧き上がってくる。そして 成田に下りると、“日本人モード”に変わる。

 若い頃は、オランダをはじめ欧米やオセアニアにまで足を伸ばした。記憶に残っているのは、35歳で訪問したニュージーランドからの帰りだった。南太平洋を北上してきたカンタスの飛行機の窓から、運よく富士山の姿を眺めることができた。それは雄々しく、それでいてやさしく、改めて感激したものだ。

 ところが 今回、今まで抱いていた「富士」に新しいイメージが加わった。実は、モンゴル側パートナーであるソヨーチ社(昨年、エヘガザル社を社名変更した)と当社との合弁会社の名称が、日本語で言うと「富士ガーデン」という社名に決まったのだ。この社名案が出た時、筆者は同社のD社長に質問してみた。「“富士”はモンゴルでは広く知られているのか」と。そうしたら「富士はサクラの次くらいに、よく知られている。心配ない」と言った。

日本に、そしてモンゴルにも富士ありて 日々好日、日々感謝。 (K.M)