(364) モンゴル日記(79)

モンゴル日記

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【豚の頭とバラの花束】

  J氏はもともと、前号で紹介したUさんの親友である。それがユロ川での魚釣りや、テレルジでのゲル・キャンプ宿泊などで一緒になり、親しくなった。体格がよく、かつては警察官だったという。現在は民間会社にお勤めである。

 その J氏の誕生パーティーがあるから、ぜひ筆者も出席してほしい、とUさんからお誘いを受けた。パーティー前日のことだ。最初のうちはお断りした。が、彼が熱心に誘うので伺うことに。それで当日の夕方、T嬢とともに飲み物を持参して自宅におじゃました。

 その時に出された食卓のメインが、写真上=豚の頭部の蒸し焼きである。ちょうど筆者たちの目の前に置かれた。その閉じた目を見つめていると、ちょっと可哀そうにも思えてきた。けれど、それもつかの間「早く一切れ喰ってみたい!」。もう、食の対象としてしか見えなかった。食欲のまえに、憐れみは吹っ飛んでしまったのだ。

 まもなく、頬の部分をスライスした3切れが皿に乗せられてきた。さっそく口に入れる・・・おおっ、あぶら身のなかに美味しさが詰まっている!うまいっ!

 一方 下の写真は、彼の息子さん夫婦が持ってきてくれた豪華なバラの花束である。ひょっとして J氏が48歳になった誕生パーティーだから、48本あったのかも知れない。この国で花が消費される1シーンを見た。

印象的な誕生パーティーに招かれて 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(363) モンゴル日記(78)

モンゴル日記

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【Uさんの趣味】

 写真は、ソヨーチ社グループで花屋を経営するUさんの店のようす(上)と、その人(下)である。その店はエンフタイヴァン(平和)大通りに面しており、ウランバートルの一等地である。

 もともと彼は電気技師だったという。そう言えば、筆者の部屋の電灯類は、すべて彼が無償で取り付けてくれたらしい。本人は何も言わなかったが、親友Bさんから教えてもらった。

 彼は物静かで穏やかである。怒った表情などは見たことがない。けれど、趣味は意外!ちょっと驚いた。ハンティングなのだ。それで一昨年、ご自宅にお邪魔して獲物のイノシシをごちそうになった。彼自ら手をかけて加工した猪肉は、臭いもなく軟らかでうまかった。

 さてこのU氏、ハンティングのほかに意外な趣味がある。ビジネスがらみと言えばそうなのだが、ドライフラワー作りである。以前、日本で出版されたドライフラワー制作の本を差し上げたことがある。そこには写真と図が多く載っていて、彼は「日本語が分からなくても、たいへん参考になった」と、話していた。お世辞半分としても、悪い気はしない。

 その成果が、写真に写ったドライフラワーなのだ。乾燥させたさまざまな植物に色付けをしていたが、色使いの感覚は日本人とは異なるように感じる。けれど、それらを花束のなかにアレンジさせることも少なくないらしい。

モンゴルでも、芸は身を助ける?! 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(362) モンゴル日記(77)

モンゴル日記

【サンギの談義】

 親友Bさんの留学生時代からの仲間が、集ってくれた。筆者の〝ウランバートル定住〟を祝福しようというのだった。お一人以外は、顔なじみの人たちである。場所はいつもの韓国料理店「サンギ」。この店もこれまで何度か紹介している。

 写真はその時のメンバーで、左側の手前が J氏(若い頃の泉谷しげるに似ている?!)、真ん中の人物が今回はじめてお会いしたN氏、その奥が体格も人柄もふくよかなT氏。そして 右側奥がおなじみのBさん,手前が筆者である。 J氏とT氏は後日、お祝いに電気炊飯器を下さった。

 彼らは同学年だったそうだから、御年47,48歳である。筆者だけ一世代違う。けれど、コミュニケーションがとぎれることはなかった。Bさんが日・蒙の通訳をしてくれるし、N氏とT氏はきれいな英語を話し、筆者のつたない英語力にも応じてくれる。それに、T氏はちょっとだけ日本語も口にする。実は彼の息子さんが、関西の私大に留学中なのだ。

 このとき話題になったひとつは、N氏がその幹部をつとめるモンゴルの国鉄のことだった。その名称がモンゴル国有鉄道とかではなく、「ウランバートル鉄道」というのだそうだ。それで、他の人たちから「地方鉄道のような名前の国鉄!」とからかわれていたのだ。調べてみたら、確かにそうだった。

モンゴルでは本当に、友だちの友だちはみな友だちという気がしてきた。 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(361) モンゴル日記(76)

モンゴル日記 クリスマス

モンゴル日記 クリスマス

【ウランバートルのクリスマス】

 チベット仏教のこの国で、クリスマスの装いがあちこちで見られるなんて想像しなかった。12月にモンゴルを訪れたのは初めてなのだ。街の至るところに、クリスマスがあふれている!デパートやホテル,一流店舗やレストランの屋内・外にはたいていディスプレイが施されていた。

 さらに驚いたのは、ソヨーチ社グループのガーデンセンターや園芸売店も、クリスマス・モードなのだ。そこには飾りつけられた人工針葉樹や、さまざまなオーナメントがたくさん商品として置かれている!売り場の80%から90%が、これらで占められていた。だから この時期、ソヨーチ・グループのいずれの店でも、生きた植物は2,3割くらいしか置いていない。切り花はともかく、鉢物などは店によっては1割もないようだった。

 ところで、写真上は「マルコポーロ」というイタリアン・レストランである。ここは筆者も親友Bさんも気に入っていて、滞在中は必ず1,2度は訪れる。ここのクリスマス装飾はちょっと見では気づかなかったが、イスに座りよーく目を凝らすと、どうしてどうして 念を入れた飾り付けがなされていた。

 また写真下は、建物の文字と飾り付けのセンスを見れば、お分かりになるだろう。ディオールである。控えめなのだが、さすがと感じさせる。

モンゴルでもクリスマスは宗教的な意味はなさそうで、有望なモノ日?! 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(360) モンゴル日記(75)

モンゴル日記

モンゴル日記白樺

【 白タク 】

 ウランバートルをあちこち移動するには、自家用車がなければ、白タクに限る。今回、このことを実感した。ただし 現地の人が同伴で、という大前提がつく。写真上は、ある時 利用した白タクの車内である。

 今回の滞在では、マンション生活を始めることが目的の一つ、とすでに書いた。そのためには家財道具を買いそろえ、食料品なども求めなければならない。だから 専門店やデパート、食品スーパーには何度も出かけた。

 ただ今回はこれまでと状況が違った。いつもクルマ付きで通訳をつとめてくれた親友Bさんが、諸般の事情であまり動けなかったのだ。それで、彼のめいごさんTさんを派遣してくれた。彼女は実によく立ち働いてくれた。

 さて 白タクである。T嬢はクルマを運転しない。だから 筆者が移動する際には、いつも彼女がクルマを呼び止め、一緒に乗り込み、目的地に行ってくれた。多い日には、6,7回も利用した。

 道路の歩道に立ち、通っていく自動車に向かって、腕を上下する。これが、〝白タク求む〟のサイン。たいてい乗用車が止まってくれる。大きな道路なら、数分以内でキャッチできる。こんな風に、白タクが市民の足になっているようだ。

 なお写真下は、いつも通る遊園地内に植えられた白樺だ。この木も白タクも、すでにしっかりと根づいている。

白タクは、乗用車を運転する市民の手ごろなアルバイト?! 日々好日、日々感謝。 (K.M)

(359) モンゴル日記(74)

モンゴル日記遊具

☆ 明けまして おめでとうございます。2014年が皆様にとって良い年でありますように。 ☆

【真冬の遊具設置】

 以前にも、ウランバートルの遊園地について述べたことがあった。それは筆者がビジネスの関係で、若い頃には造園の業務にも携わっていたからである。だから、植樹や公園づくりといったことにも関心を持っている。それに、この国ではそうした施設で遊ぶ子供たちにも、興味を覚えたのである。きっとモンゴルの子供たちは、現在の日本の子供たちに比べて、はるかに外遊びをしていると思う。

 ところで この写真を撮影したのは、ちょっと驚いたからである。それは、うっすら雪が積もるこんな厳寒のときに、新品の遊具を据えつける作業をしていたのだ。おそらく気温は氷点下15~20℃くらいだったろう。モンゴルでは冬でも晴天日が多いが、それでも日なた・日かげによって体感温度がけっこう違う。南側に集合住宅が建ち、日かげになっていたこの遊園地で、3人の作業員が時には地面に膝をつけながら、黙々と仕事をしていた。

 しばらく立ち止まって、その様子を眺めたていた。そうすると、作業員のおじさん達に対して、シンパシーのような感情が生まれ、ねぎらいの気持ちすら湧いてきた。「ひっで,さーめなか(※とても寒いなか)、ご苦労さん!」(※新潟弁)

 そのうち、「シャチョー、置いてくよー」。親友Bさんの声が聞こえてきた。

それにしても、遊具はどこの国の製品だろうか。 日々好日、日々感謝。 (K.M)