(403) モンゴル日記(118)

モンゴル日記 モンゴル日記

【北京だより ⑥】

 左・右の写真の植物は同類だとは思ったが、はじめのうちは何だか分からなかった。少ない頭の引き出しをあけて、サボテンの仲間かな・・・?筆者は観賞植物の世界を広くは知らない。正直のところ、この植物は初めて目にする植物だった。そして興味をそそられた。

 姿かたちから、“恐竜の背中”と名づけた。「その名前、いいですね」。同行したT嬢も、同意してくれた。しかし 日本に戻って来てからも、しばらくこの“恐竜の背中”のことは放っておいた。インターネットでも本格的には検索しなかった。ただ一度だけサボテンで検索してみたが、見つからなかった。こちらの親しい同業者数人にも聞いたが、明確に答えた人はいなかった。

 それがひょんなことから、正体が判明した!先日たまたま新潟を訪れた、植物学の泰斗O先生にお聞きした。「ああ、これは確かユーフォルビアの仲間だったと思いますよ。まず、それでネット検索してみたらどうですか?」

 さっそくその貴重なヒントを手がかりに調べたら、難なくたどり着いた。ユーフォルビア・ラクテア。多肉のユーフォルビアで、これの石化(帯化)品種らしい。石化(帯化)とは、植物の茎頂部の成長点に異常が発生し、いわば奇形を引き起こすことをいう。もっとも分かりやすい例はケイトウで、あの頭の部分は石化が遺伝的に固定したものだという。

未知の植物に北京で会えた。日々好日、日々感謝。 (K.M)