(414) モンゴル日記(129)

モンゴル日記 モンゴル日記

【車窓からの風景】

 写真は2枚ともクルマからの眺めである。筆者がアパートと農場を行き来するとき、ときどき通る道路からの風景だ。そのうち写真左は渋滞のようすを撮ったものではない。正面奥の「ゲル地区」を遠望したものである。

 ウランバートルで「ゲル地区」というと、市街地の外側に形成された低所得者層が住むエリアをさす。彼らは市の中心部に建つアパートやマンションに住まず(住めず)、その周辺で暮らしている。そうしたことから、ゲル地区はさまざまな点で解決すべき問題を抱えているようだ。

 異国の人間にも理解しやすいのは、冬のスモッグである。ウランバートルはもともと地形的に盆地の都市であり、風もあまり吹かない。そこに近年は火力発電所の排煙、急増するクルマの排気ガス、それにゲル地区で暖房用に使われる大量の石炭の煙、これらが冬に発生するスモッグの主な原因と言われている。たしかに近ごろは、冬の晴天日でも昼間にきれいな青空が望める日が少ない。

 一方、写真右は十字架が描かれたキリスト教の教会だ。時々この前を通るが、ここに自動車がいっぱい止まっているのを見たことがない。推測だが、おそらくモンゴル国内ではキリスト教徒はひじょうに少ないのではなかろうか。だいたいウランバートル市内では、ここ以外に教会はお目にかかったことがない。

この道沿いには、あの「キョクシュー・タワー」もある。日々好日、日々感謝。 (K.M)