(624) モンゴル日記(339)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて87 】

北モンゴル最奥部を訪ねて87

北モンゴル最奥部を訪ねて87

 上の写真は前号で書いた断崖の南東側から写した全景である。この写真でも分かる通り、やはり節理の岩崩れは起きているようだ。けれど全面的な崩壊にまで至らないのは、降雨量の少なさが要因かもしれない。この国の降雨量は日本の3分の1,4分の1くらい。長雨や集中豪雨などはめったにない。8年前からモンゴルに通っており、夏場には5,6回滞在しているが、一日じゅう降り続ける”長雨”などに会ったことはない。それに特筆すべきことだが、地震もない国なのだ。

 さて下の写真は、断崖手前の小段からの眺望だ。中ほどにはテングス川の水面ものぞく。やがてこの先で左側から流れ込んでくるシシケッド川と合流し、大河に変貌する。この写真の左手奥で木々が連なっているルートは、その一本になった河の川筋を示している。

 さて右側のテングス川に沿った山側の小段は、ひょっとしたら河岸段丘だろうか。あちこちにこの小段は認められるのだ。けれど,シシケッド川の方にはこうした地形は確認できなかった。

 一方,奥にはロシアとの国境が引かれたあの高山がドデンと座っている。この山は様々な表情を見せてくれた。この風景はまさに山水で、ズーッと眺めていても厭きなかった。この辺りは山と山に挟まれた,いわば谷間の地で、モンゴルではダルハッド・バレーと呼ばれ、熱心なファンがいるらしい。

 日々山紫、日々水明。 (K.M)