(308) モンゴル日記(34)

モンゴル日記

モンゴル日記

【アメリカン・レストランにて】

 写真上は、モンゴル語で書かれたメニューである。キリル文字なので、さっぱり分からない。ちょっとしたレストランなら、英語のメニューも用意されているものなのだが。

 Bさん夫妻,Uさん夫妻と共に夕食をとろうと、「カリフォルニア」というレストランに入った。最初、ウェイターがモンゴル語メニューしか持って来なかったので、少し面食らった。もしかして筆者がモンゴル人に見えたのだろうか?すぐにBさんがウェイターに指示した。そして、改めて持ってきた英語版メニューを見てから、料理を頼む。ただこの後、日本に比べると料理が出てくるまでけっこう時間がかかる。それで、たまたまテーブルの隅にあった金属製の置物に目がいった。

 「おお珍しい。チンパンジーかな」よく観察もせずに言ってしまった。一瞬、Bさん夫妻に沈黙が流れたようだった。日本語の分かる二人には、筆者のこの発言はすぐに理解できたのだろう。

 「うん?」と、手もとに引き寄せ、よく見た。どうやら類人猿などではない。「あァ!もしかしてモンゴル相撲の・・・」観察すると、明らかにモンゴル相撲の力士のようだった。「しまった、よく見てから発言すべきだった!」

 写真下が、その力士像である。じっくり眺めてみると、力強さすら伝わってくる。しかし、モンゴルの人たち四人の前で、まったく失礼な発言をしてしまったのだ。彼らの誇りを少しでも傷つけたとしたら、正直おわびするしかない。

けれど、ここのサーモンの味噌味ソテーはなかなかイケる。日々慎重、日々配慮。 (K.M)