(617) モンゴル日記(332)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて80 】

北モンゴル最奥部を訪ねて80

北モンゴル最奥部を訪ねて80

 薄くなってはきたが、まだ霧が立ち込めるシシケッド川。上の写真は朝の5時54分、下の写真はその15分後だ。上の写真で分かるように、川面からはいぜん霧が立ちのぼっていた。実に幻想的な風景で、こんな時,絵心でもあればなァ・・・。

 そしてこの霧のなか,久しぶりにテツガク的心境になった・・・「おれはどうしてここにいるんだろう」。この国に来て,時たま襲われる意識である。日本にいては,ほとんど経験しない心的状態だ。

 そうした意識が導いたのか、このあと今は亡き親友を思い浮かべた。これは日本では時々あることだった。しかし,モンゴルで思い浮かべることはこれまであまり無かった。彼とは京都時代からの付き合いで、大学卒業後も親しく行ったり来たりしていた。彼はK君といい、たまたま筆者と同じ新潟出身で高校も同じだった。ただ1年後輩だった。けれど大学卒業時には彼の方が先輩となった。が、いつもセンパイと呼んでくれていた。

 筆者が出張などで上京した折には、よく一緒に居酒屋へ行った。そんなとき彼は、「センパイ、モンゴルのビジネスはどうですか?」。いつも気にしてくれていた。彼はいろんな出来事に遭遇しながらも、出世街道に乗る。そして取締役まで手が届きそうになったときに急逝!それは平成20年6月のこと、まだ55歳だった。

 感傷的になった霧の朝。たまにふり返り、たまに追憶。 (K.M)