(622) モンゴル日記(337)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて85 】

北モンゴル最奥部を訪ねて85

北モンゴル最奥部を訪ねて85

 シシケッド川は流れが緩やかだった。水深もあり、川底は泥土帯が広がっているみたいだ。それに対して、反対側のテングス川は流れが速く、石だらけの清流。このように二つの河川は対照的だった。そして,ときどき釣り人の姿を見かけるのは、テングス川の方だけだった。

 上の写真はそのシシケッド川の浅瀬を泳いでいた稚魚である。体長10㎝にも満たなかった。体の表面にはちょっと複雑な模様。ただ,こいつは鋭い動きを示さなかったので、おそらく調子が悪かったのだろう。ひょっとしてタイメン(モンゴルイトウ)かもしれないが、こんな様子だと,この後 死んだかもしれない。

 正直いうと筆者はこの稚魚よりも、水中の水草の方に興味が向かった。この浅瀬には、このようにびっしりと若い沈水植物が生えていた。流れが緩やかで水底が泥土だから、このように繁茂しているのだろう。

 下の写真のように沈水植物に限っても、シシケッド川にはヒルムシロ属を中心に5,6種類は生育していたと思う。それもかなりの規模でびっしりと水底から茎を伸ばしていた。後日,船で川を横断したとき、そのことを確認した。

 若い頃,休みごとに新潟県内の河川や湖沼を歩き回ったことがある。そのとき,その水生植物の多様性に驚いたものだ。しかし,このシシケッド川はここだけで豊かな水生植物を養っている。

日々探索、日々発見。 (K.M)