(157) カトレアと大雪

カトレアと大雪

 逆光気味になってしまった。カトレアのミニパープル・セルレアという品種である。白に近い薄い紫の花弁に、青紫のリップを付けた印象的な花である。

 先月、親交を賜っているKさんの所に伺った際、テーブルの上に飾ってあった。「いい色ですねェ。」と思わず感想を漏らした。そうしたら「帰りに持って行ってもいいですよ。」とおっしゃた。それで現在は、我が家の居間の一鉢となっている。

 背後は家の裏手に積もった大雪とつららである。この取り合わせが気に入った。氷雪の世界の前に熱帯植物が置かれている。また、雪の白と花の青紫が妙になじむ。

 ところで、Kさんは栽培の名人であり、ひじょうに優れた育種家でもいらっしゃる。県内の花卉園芸界では第一人者であろう。その永年の功績によって、平成21年には新潟県の技術賞も受賞された。またKさんは、筆者たちが2000年のRHSロンドン・フラワーショーでゴールドメダルを受賞した時の、いわば同志でもいらっしゃる。(機会があれば詳述する。)とにかく何かとお世話になっている方なのだ。

 さてミニパープル・セルレアのことである。こうした青紫系の品種はやはり珍しいようだ。それに、かすかに芳香がある。最低温度は5℃を保つようにとのアドバイスだったが、たまにそれを割ることもあった。気の毒だと思いながら、いまだ楽しませてもらっている。2月下旬からは写真の花の反対側に、もう二つ花が開いてきた。

カトレアの花言葉には「高貴」などが挙げられている。時にはそんな言葉を思い出し 日々好日、日々感謝。 (E.O)