(160) チューリップ試験栽培②

チューリップ試験栽培

チューリップ試験栽培

 写真のチューリップは「ホワイトリバースター」という。比較的新しい品種で、今はまだ珍しい花である。

 純白の花色も悪くないが、何よりも花組み,花形が変わっている。花弁の中ほどがくびれ、先端が反り返る。この独特の形状を“クラウン咲き”と呼んでいる。花形がクラウン=王冠に似ているから、この名称が付けられたのだろう。ただし、ときどき“ピクチャー咲き”と言われることもある。これは先に世に出た「ピクチャー」という品種が、こうした咲き方をしていたことから由来したものだ。

 この「ホワイトリバースター」は小輪で白の一重咲き。「インゼル」という品種の突然変異である。球根関係者の話によれば、このタイプは花が長持ちするという。それは当社の専務や球根スタッフも以前から指摘していた。まだ流通量が多くない品種だが、市場や専門店などからも注目されつつある。

 また、これと同じクラウン咲きで「リバースター」という濃いピンクの品種もある。名前からして、いわばこの「ホワイトリバースター」の姉妹花のような品種である。この球根も今回の試験栽培では植えてある。花の咲き出しは薄いピンクで、満開に近づいてくると濃い鮮やかなピンクに変化する。しかし、この花は「ブレンダ」という品種の突然変異である。

 「インゼル」も「ブレンダ」も系統は同じトライアンフである。けれど、親が違うのでちょっと不思議な気もする。起源を調べていくと、この2品種は近縁であるかも知れない。

花が多様なチューリップは楽しさを与えてくれて 日々好日、日々感謝。 (E.O)