(198) 初夏のモンゴル②

初夏のモンゴル2

初夏のモンゴル2-2

【柳絮 (りゅうじょ)】

 6月末から7月初めのこの時期に、モンゴルを訪れたのは初めてだった。だから、ウランバートルの街なかを浮遊する、この白い物体に出くわすのも初めてだった。

 それは数㎜から1cm前後の綿毛のようで、植物の種子だろうと見当はついた。しかし、それが何の植物かはすぐには分からなかった。いい加減なもので、最初はモンゴル・タンポポというのがあって、その綿毛なのではないか等と考えていた。

 けれど、その浮遊物たるや半端な量ではない。昼でも夜でも四六時中、街中に飛んでいた。窓が開いていればホテルの部屋にも、レストランにも侵入してくる。これはひょっとして・・・記憶の奥のほうから、「柳絮」という言葉が浮かび上がってきた。そして、今回もいつものように親友B氏に尋ねた。

 「シャチョー、それはポプラの種ですよ。この時期は毎年こうなるんです。人によってはアレルギー反応を起こすこともあるよ。でも、それほど多くはないようだけど。シャチョーは大丈夫ですか?」やはり、そうだった。

 写真上はポプラらしき樹木に鈴なりに付いた、飛び散る前の柳絮である。また写真下は、それが飛び散って風などの加減で道路端に集まった、いわば柳絮の吹き溜まりである。確かにウランバートル市内には街路樹をはじめとしてポプラ(ヤナギ科)は多い。

 この柳絮さえ気にしなければ、この時期のウランバートルは昼が長く、さわやかで過ごしやすい。見たところ、市民はほとんど気にしている様子はない。

幸い柳絮アレルギーは無かったようで 日々好日、日々感謝。 (E.O)