(302) モンゴル日記(28)

モンゴル日記

モンゴル日記

【大陸の鉄路】

 ソヨーチ・ガーデンセンターのすぐ南側を、この鉄道が走っている。その東の終点は北京、西の終点はモスクワだという。2009年に初めてこの国を訪れた時にそのことを聞いて、ちょっと感動した。頭の中にユーラシアの地図が広がり、思った。「ああ,大陸の国に来たんだ!」。

 写真上は、ガーデンセンターに入ろうとした時、たまたま旅客列車が来たので、とっさに撮影したものだ。西から東へ(写真では右から左へ)行く列車だった。Bさんに尋ねたら、北京行きだろうとの答え。

 それは貨物列車に比べれば長くはないが、、重厚さのなかにも風格を感じさせる姿だった。黒緑の車体に、黄色いラインが窓下に描かれている。その黄色いラインの下に白い線2本が引かれている車両は、日本でいうとグリーン車らしい(右側の車両)。この列車が通り過ぎるまで眺めていたら、「シャチョー、行くよ」と、Bさんの声。

 写真下は後日、線路に上って撮ったものだ。日本と違い、立ち入り禁止の柵もなければ、警告板のようなものも見当たらない。左右を何度も見ながら、線路に足を踏み入れるときは緊張した。1,2分はいたろうか。「うーん、これがロシアや中国にもつながっているのか・・・」。わずかの間だが、思いを馳せることはできた。

 ところで、この鉄道はロシアの支援で作られたものなので、線路は広軌だ。けれど、不思議に思ったのはこれほどの大動脈なのに、単線であることだった。通る列車が少ないせいだろうか。

線路内に入ったのは、悪童の頃以来だろう。でも 日々好日、日々感謝。 (K.M)