(575) モンゴル日記(290)

【 北モンゴル最奥部を訪ねて38 】

北モンゴル最奥部を訪ねて38

北モンゴル最奥部を訪ねて38

 上の写真の拡大が下である。この植物は残雪のあった川原の、道路側の湿地に生えていた。そこは川の流れからは離れているが、そばに行くと,靴がズブズブと沈むほどだった。下の写真をよく見ると分かるが、水がしみ出しているのだろうか、あちこちが光っていた。面積は全体で数十㎡くらいはあっただろう。

 写真の植物はプリムラの仲間のようだった。花の大きさは1㎝にも満たないくらいの小輪で、とてもかわいらしい。それは無機質な川原の風景に、可憐さと柔らかい色彩を添えていた。花色はほぼ下の写真どおり、薄い紫ピンクだった。しばし見入っていたが、花弁はハート形というか,蟹の太いハサミ状というか。花弁は4枚のもの,5枚のもの両方が見られた。

 ところで、この植物の葉はまわりにいっぱいある細いヤツではない。その下にのぞく広葉で、丸っこい小さな方だ。葉もかわいらしい。

 このかわいらしい花と、やっぱり水の出どころが気になり、この湿地に指を突っ込んでしばらく観察していた。と,水がやはりどこかからジワーッと出ているようだった。そうでなければ,ジメジメというよりはグシャグシャとしているこの状態を理解できないからだ。水源は湧水ではないか。そうだとすれば、この湿地は湧水湿地と言われるものだろう。

旅ではいろんなモノ,こと,人に出会う。日々湧く湧く、日々ワクワク。 (K.M)