(97) 村祭りの獅子舞

村祭りの獅子舞

 筆者の住む集落に200年も伝わっている獅子舞である。9月1日、秋祭りの本祭の日のことである。

 獅子舞の一行が集落のあちこちを回るのは、毎年この日の昼間だけなのだ。写真は当日午後、自宅前で演じてもらった時のものである。

 右手奥に見える建物は本社事務所だ。それで、この時間帯に事務所にいる従業員さん達には、獅子舞の盛り上げと厄払いを兼ね、それを見物してもらう。これは毎年のことである。

 ところで、この獅子舞の起源は、遠く八王子にまで遡ることができるらしい。今から400年前、かつての八王子城主=北条氏照が能の舞いからこれを創作したのだという。それが様々な経路をたどり、時間を経て各地に伝わったものらしい。その流れの一つが、この地までたどり着いたのだという。

 それを立証するために、以前この獅子舞の保存会の人たちが八王子市教委を訪ねた。そして、そこの学芸員さんに案内してもらい、遂にそのルーツと思われる地域を探し当てたのだ。それが平成5年のことである。

 獅子は三匹である。中央に雌獅子、両側に雄獅子が二匹控え、舞い踊る。そこに太鼓の2人と笛の2人、唄い手1人の計5人が一組になって獅子たちを盛り立てる。踊りは能舞いのようにしなやかと言うより、少し荒々しいといった印象を受ける。けれど、どこかしら不思議な魅力を持っている。だいいち この獅子舞が来ないと、秋祭りという気がしない。

 わが集落の無形文化財とも言うべきこの獅子舞は、ありがたい事に今のところ 元気なじいちゃん,父ちゃん,あにゃさ達によって受け継がれている。

こんな災害多き年こそ、獅子舞で厄を追い払えれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)