(124) 安土城跡-その一

安土城跡-其の一1

安土城跡-其の一2

 写真上は、受付けを入ると すぐ始まる大手道である。城内では最も重要な道だったという。幅が広く、石段の立派な道である。また写真下は、本丸から天主に向う石段だ。その先には壮麗な高層建築が聳えていたという。 

 ここを訪れたのは今回で二度目。十数年前に初めて来た時は、今のように整備されておらず、訪れる人もわずかだったと思う。なぜなら 天主跡まで往復しながら、すれ違ったのは2,3人だったように記憶している。

 しかし 今回は夕方だったが、7,8人とすれ違った。どうやら大河ドラマ『江』の影響もあって、訪問者が増えているらしい。ただ 健脚を自負する筆者でも、寄り道をしないで天主跡に達するには10分程は要する。少しきつい上りが続くのである。

 ところで、大手道には石仏が石段などの材料として用いられている。確かに、踏石には石仏のお顔と分かる部分が所々に見られる。やはり、こうした奇異な点は信長らしいと言うべきなのだろうか。また この大手道の左右には、羽柴秀吉や徳川家康などの屋敷跡と伝えられる平地がある。

 さて 写真下の石段の手前=本丸跡についてである。この場所は千畳敷と呼ばれ、本丸御殿の跡と伝えられてきた。ここは調査によって、大規模かつ特異な建築であったことが分かってきた。内裏の清涼殿によく似た作りだったという。解説によれば、信長はどうやらここに天皇を招き入れる意図があったらしい。

 日本史上最も革新的なリーダーが築き、そこで生活し、そして廃墟と化した安土城跡に立つと、不思議な歴史感覚が呼び覚まされ、しばし感慨に浸ってしまう。

魅力と謎の多い場所に立って 本日好日、本日感謝。 (E.O)