(211) 初夏のモンゴル⑮

日の出

キャンプ花

【河畔の朝】

 テントを張ったこの河畔の地は四方を山々に囲まれ、丈の低い草原が広がり、様々な花が咲いていた。岸辺には森林が形成され、草原の所々にはブッシュも生い茂っていた。そうした辺りから野鳥のさえずりが聞こえてくる。とくに日の出前はにぎやかだった。

 鳥の種類が豊富なせいか鳴き声も多様で、日本では聞けないものが多い?ようだった。それを筆者なりに聞きなしたものが、以下の通りである。―――プポーッ,プポーッ,プポーッ(これは森の奥から)・・・シャキル,シャキル,シャキル・・・スーッチョ,スーッチョ,スーッチョ(虫の音のようだが、間違いなく鳥だったと思う)・・・ペニュー,ペニュー,ペニュー・・・ゲンツキ,ゲンツキ,ゲンツキ,ピュ,ピュ,ピュ,ピュー(風変わりな鳴き声だが、これでひとまとまりだった)、グワッ,グワッ,グワッ(これは以前紹介したカササギの声だった。姿が見えた。)・・・。これらのさえずりを一人楽しみながら、燃料用のタキギ集めに精を出した。

 やがて、辺りが明るくなってきた。それでテントに戻り、中からカメラを持ち出した。テントの皆さんはまだ夢の中。そこを静かに立ち去り、日の出の撮影準備に取りかかった。写真上は、太陽が顔を出す直前を捉えたものである。7枚ほど撮ったうちの一つだ。

 また写真下は、この草原に咲く花で最も目を引いた花だった。おそらくキンポウゲ科の植物だろう(後述する)。ただ残念なことに、数本しか見つからなかった。

ここには“花鳥風月・・・人”、すべてがあった。日々好日、日々感謝。 (E.O)