(214) 初夏のモンゴル⑱(終わり)

船下り

船下り

【川下り―その2】

 ボートによる川下りはそう簡単ではない。乗ってから気づいた。クルーが役割分担して操らないと、ボートは安全にちゃんと進まない。打ち合わせはしなかったが、自然とボートの左側に筆者、舳先にD社長、右側にE君という配置になった。前方に注意を払いながら、左右の岸に寄り過ぎないように、各自が状況に応じてオールを漕いだ。

 また時々、川をふさぐ流木・倒木が現れたが、それを避けるのが容易ではなかった。流速のある場所でそれに出くわすと、とくに大変だった。それを避けようと、皆が必死にオールを漕いだ。けれども、終点近くになってからのことだ。川の真ん中に居座った大木を避けきれず、舳先に乗っていたD社長がとっさに川へ飛び込む事態が起きた。幸いにも、流れが強くなく背の立つ所だった。とにかく気は抜けなかった。

 このトール川は、川幅が広い所で20~30mはあったろうか。写真上は豊かに水の流れる、そうした地点である。こんな場所なら、比較的ゆったり構えていられる。

 そうかと思うと1ケ所だけだったが、皆がボートを降りて引っ張りながら通った浅瀬もあった。また川が二股に分かれていて、右するか左するか迷った場所もあった。

 そうした操船上のことは別にして、青空,川風はあくまでも心地よく、そして川岸の風景の変化は楽しいものだった。樹林や草原だけではなく、時には下の写真のようにお花畑も現れた。植物の種類は分からなかったが、そのピンクの花々は鮮やかだった。

川を下るときには、くだらないことは考えない!日々好日、日々感謝。 (E.O)