(231) 赤花ウメバチソウ

ウメバチソウ

梅鉢草

 写真は赤花ウメバチソウである。ただし赤花といっても、薄いピンクくらいのものだが。でも、珍品らしい。上の写真はその花を少し拡大し、微妙な色合いを捉えたものである。

 ウメバチソウは夏の終わりから秋にかけて咲く、可憐な山草である。北海道から九州にかけて分布し、標高の高い山地の草原や日当たりのよい斜面などで見られる。花色はふつうなら白である。

 漢字では梅鉢草と書く。その名前の由来については、いくつかの文献に目を通したが、花が家紋の“梅鉢”に似ているからという記述が多かった。もともと梅の花の家紋は、梅の花を好んだ菅原道真公にちなむものである。太宰府天満宮を中心とする天満宮はこれが神紋となっているという。そして、彼にゆかりのある人々や天満宮の氏子たちが、この梅の花の家紋を用いているようだ。

 けれど、梅の花をデザインした家紋は何種類か存在し、その中の一つが“梅鉢紋”だという。これがウメバチソウの花に最も似ているのだそうだ。この説がいちばん説得力があった。

 全く私的なことだが、実は筆者の誕生日は2月25日で“天神様”の日にあたる。道真公の没した日が2月25日とされ、新潟あたりではこの日を天神様と呼んだ。この日 各家庭では、道真公を描いた掛け軸をかけ、その前に小さな祭壇を設けた。道真公を偲ぶと共に、学問の神様と言われた彼にちなみ、子供たちが勉学に励むよう、その前でお参りをさせたものだ。筆者も毎年 手を合わせたが、それほど効果があったとは思えない。

花の名の由来から歴史がかいま見えて 日々好日、日々感謝。 (E.O)