(233) カメリア・アザレア

カメリア・アザレア

 今ごろツバキが咲くはずはない。だが 花はほとんど同じで、より優美かも知れない。けれど、ツバキとは葉が違う。先が尖らず丸っこく、長楕円形だ。その上、葉のつき方も違う。葉と葉の間の幅が狭く、輪生に近い。・・・あーっ、ひょっとしてこれが話題の新しいツバキか?!

 結局 その通りで、カメリア・アザレアという新タイプのツバキだった。このところ、初めて見る花をたびたび載せているが、恥ずかしながら、このカメリア・アザレアも初見だった。調べてみたら、学名をカメリア・チャンギー(Camellia changii)と言うようだ。

 これまでのツバキと大きく異なるのは、その開花の時期と長さである。7~10月にわたって咲くという。因みに、事務所の敷地内にあるツバキは現在、実が裂けて種を落としていたり、来春に向けて蕾をふくらませつつある。それに対して、このカメリア・アザレアはいま花を咲かせているのだ!

 この写真は今月上旬に、某園芸の温室内で撮影したものだ。この時は咲いた花が1輪、ふくらんできた蕾が2つほどあった。けれど先週、再び伺ったら3輪が花開いていた。

 このカメリア・アザレアは最近になって中国で発見されたという。しかし、自生地が雲南省とも広東省とも言われる。同業者によると、中国では貴重種とされ、その発見地を意図的に明かしていないのだという。このツバキのニューフェイスは、日本への導入はまだ十年も経っていないらしい。

こうなると、春の季語としては使えなくなるかも知れない椿である。 それでも 日々好日、日々感謝。 (E.O)