(234) 花のある生活②

花のある生活

 写真の場所は、本社事務所の男子トイレである。この時、飾っていた花はふつうのカーネーション。スーパーで売っていたもので、たしか3本一束で198円だったと記憶している。

 ここに花を飾ったり、その水を換えたりするのは、筆者の役目になっている。始めてから、もう5,6年になろうか。といっても義務感などはほとんど伴わず、近頃ではちょっとばかり良い役かも知れない、と考えている。なぜなら、ここを利用する従業員やお客さんの多くが、その花を見て少しは心を和ませるだろう、と思うからである。

 園芸屋とはいえ、従業員の人たちは常に咲いた花に接しているわけではない。また、実際には全員が花大好き人間ということもないだろう。それにトイレは、どちらかというと味気ない場所である。そんな問題意識が頭の隅にあったのかも知れない。ある日 朝顔に向かって用を足していて、突然思いついた。「ここに花が一輪でもあったらなァ」これが動機だった。

 それで、さっそく一輪挿しを購入した。はじめのうちはそこに、敷地内で咲く季節の花やうちの商品を飾った。サザンカ,チューリップ,ツツジ,シャクナゲ,キンモクセイ・・・。けれど、それが調達できない時期がある。だから、安い花でいいから、買い求めたものを飾ることが多くなった。

 ところで、写真のカーネーションは実に長く持った。買って花瓶に入れた日は先月18日、花弁が傷みだしたのが今月7日頃、廃棄したのが11日だった。だから、3週間ほどは咲き続けてくれた。健気なものだ。

トイレに花あれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)