(117) 二人の釣果-北モンゴルにて⑥

二人の釣果-北モンゴルにて

 左の筆者が2匹、右のD社長が3匹。大きさで言うと、D社長の釣り上げた3匹のうち2匹は、筆者の大きい方の獲物を越えたものだった。モンゴルの神様は、二人に絶妙な結果を与えて下さった。

 遅い朝食の時に、D社長から午後の釣りに誘われた。長靴を履いて下流に出掛けようというのだ。今度は川に入り、ルアーで釣るらしい。

 そこで、貸してくれた窮屈な長靴を履いて出発。ただ心配があった。なぜなら、午前中に4~5kmは歩いただろう。ブーツの中の左足の親指が少し痛い。だから、小さめの長靴には不安を抱いた。外反母趾のような左足の親指の付け根が、これ以上 疼かねばよいが。

  今度の釣りのメンバーは、D社長と筆者それに農場のM氏の3人だった。彼は雑用係を兼ねていたが、ときどき筆者に釣り方を身振り手振りで教えてくれた。

 最初のうちは3人とも全く釣れなかった。筆者などは、糸先を水中の岩に引っ掛けたのだろう、釣り糸を引き寄せる際に、竿の先端を折る始末。急きょM氏から別の竿を用意してもらい、続行した。

 それから15分ほど経ったろうか。竿が一瞬、また岩に引っ掛かったような感じになった。それで、早くリールを巻き始めたが、釣り糸の先に白いものが閃いた。おっ,魚かな?! その直後、手ごたえを感じた。おっ、掛かった,掛かった!

 これが筆者のルアー釣り最初の獲物だった。30cm級のマスだった。左足先の痛みを忘れるくらい興奮した。D社長は傍らに来て、わが事のように喜んでくれた。

 その後、D社長も釣れ始め、結局 冒頭の釣果となった。良かった。 

初めてのルアー釣り。獲物も上がって 日々好日、日々感謝。 (E.O)