(143) 1月のウランバートルで ②

1月のウランバートル2

 真冬のモンゴルで眺める有明の空も、なかなか味わい深いものだ。月は欠け始めていた下弦の月だった。撮影時刻は現地時間で朝の8時10分頃。まだ外は薄暗かった。写真はカメラをオートにセットしたので、自動的に鮮明な映像が撮れた。

 ただ寒々とした月と言うより、凍り付いて落ちてきそうな月だった。おそらく-30℃前後に下がっていただろう。だから、外で10分と眺めていられなかった。

 寒さ対策で、下着のシャツもズボン下も長めのタイプを身につけ、厚地のコーデュロイ・シャツにセーターを着込んだ。ズボンも厚地のコーデュロイものを穿いていた。その上にベンチコートで身を包んだ。そして、コートのフードをすっぽり被っていた。耳まで隠れる帽子のようなものが無いと、外には居られない。靴は雪用ブーツを履いていた。しかし、頬は痛いような冷気に触れるし、ブーツにもコートにも覆われない脛には厳しい寒さがひしひしと伝わって来る。

 ウランバートルの寒さは新潟の寒さと質が違うように思う。新潟の寒さは“湿ってはいるが温かみのある軟質の寒さ”、それに対してウランバートルのそれは“乾いて厳しい硬質の寒さ”である。

 今回のホテルは写真右手の建物で、以前にも宿泊したことがある。部屋はラジエーターよる温湯暖房で、たいてい+24,25℃くらいに保たれていた。だから、寒いとは全く感じない。しかし、一旦外に出ると、それより40,50℃低い世界である。この気温の落差に、まず戸惑った。

異国の酷寒の地でも 日々好日、日々感謝。 (E.O)