(209) 初夏のモンゴル⑬

初夏のモンゴル

【月とテントと・・・】

 ウランバートルから4~5時間は車を走らせたろうか。あのゲル運搬隊に出会ったり、コオニユリの咲く 森で休憩をとったり、目的地の手前で試し釣りをしたりと、いろいろ道草をしながら来た。けれど、 それほど暗くならないうちにトール川河畔の目的地に着いた。

 今回のメンバーは、おなじみの親友で通訳のB氏,D社長,運転から調理までこなすMさん,若手のE君そして筆者の5人。皆はテント設営地点が決まると、手際よくそれを組み立て、晩飯の準備も始めた。筆者の出る幕はなかった。少し気温が下がってきたが、雨は降ってこない。また、強い風も吹いていない。その上どういう訳か、 蚊が寄って来ないのだ。だから 辺りを散策しながら、夜空に浮かぶ月をしばし観賞していた。

 ところでウランバートルを 出発するとき、いろいろな資材や飲食物を車に積み込んだのは見た。ただ、キャンプには必須の飲み水らしき液体がその中に なかった。調達はどうするのだろう?とちょっと気になっていたが、合点がいった。すぐ側の清流トール川を 利用するのだ。まァ、ウランバートルの水道の供給源だから問題ないか、と妙な納得をした。やがて食事の用意(飲む準備)ができた。

 すると、当たり前のようにウオッカが登場し、グラスに注がれ皆に回された。用意された今夜の酒の肴は、調理したハ ムとポテトだった。また、味覚以外の肴ではまず月があり、心地よい夜風があった。それに、座を沸かせるD社長の小話も加わった。

贅沢な時間を過ごして、今日も 日々好日、日々感謝。 (E.O)