(235) “小さい秋見つけた”

小さい秋見つけた

 朝は10℃に達しない日も多くなってきた。その分、日中には爽やかな風が吹く。写真は二週間ほど前に、同業の親友が目の前で作り上げた寄せ植えの一鉢である。彼は慣れた手つきで、ささっと仕上げた。時間にすれば、ほんの20分ほどだったろうか。

 用いた植物は、左からリンドウ,ベニチガヤ,神津(こうづ)ウメバチソウの三種である。リンドウはササバリンドウの交配種だそうで、普通のリンドウより小形で花色がやや薄い。またベニチガヤは秋の定番だが、やはり緑葉と赤葉のコントラストは美しい。来月上旬までが見ごろだろう。また、神津ウメバチソウは草丈がやや低い種で、クリーム色のかわいらしい花を付けていた。これはウメバチソウより 丈夫だ。また、植え込み皿は人造鞍馬石という材料で作られたものらしい。

 このような寄せ植えという小さな植物世界にも、日本人は季節を感じる。四季を見い出す。この0.04㎡ほどの皿に秋が乗っかっている、と心で認識するのだ。

 自然に対するこうした日本人の感覚や意識について、日本に住む外国人たちがいろいろ意見を述べていた。それはNHKのBS1の番組『cool japan』だ。先月中旬“日本の木”というテーマで、木造建築から盆栽、しまいには盛岡市の石割桜まで紹介していた。そして その番組の中で彼らは、日本人が見せる独特の自然観や季節感について語っていた。だいいち花鳥風月や雪月花という言葉自体が、そのことを示すのだろう。

豊かな四季と美しい景観、そして美意識。この国に生まれ育って 日々好日、日々感謝。 (E.O)