(76) モンゴル再訪8-ホルド

モンゴル再訪8-ホルド

 これは車載式の、いわばチベット仏教風の交通安全お守りなのだそうだ。“ホルド”というらしい。(※モンゴルでは大半の人がチベット仏教徒である。)

 このホルドは、エヘガザル社のD社長が乗るレクサスのダッシュボードの上に取り付けられていた。この銀色の金属製お守りには、様々な装飾や模様が施されている。台座や五角形のワクにも、またそのワクの中で回る円筒部分にも細工がなされている。それらはいずれも宗教的な意味を持っているのだろう。とくに、その円筒には赤や青のガラス玉も嵌め込んであり、念入りに作られたものだ。小さいけれど荘厳で美しい。

 詳しい説明はしてくれなかったし、素人だから的外れかもしれないが、この円筒は実は「マニ車」の一種なのではないか、と思った。チベット仏教の寺院へ行くと「マニ車」という円筒形の独特の用具があり、それを手で回しながらお参りをする。その「マニ車」かもしれない円筒が五角形のワクの中に吊るされていて、走行している間中 ゆっくりとグルグル回るのだ。

 ところで、その動力源は太陽電池だというから面白い。だいたい電池で動くお守り様という発想も、これまたおかしくて興味を引かれた。この最新の高級車に、チベット仏教のシンボリックなお守りが載っている。そして、その電源が太陽電池なのである。このアンバランスな調和!この見事に奇妙なミスマッチ!

 とは言え、ありがたいことに このレクサスのみならず、筆者が乗ったクルマも馬も飛行機も乗り物は全くトラブル無しだった。(乗馬についてはいずれ述べます。)

お守りはどこの国のものでもありがたい 日々好日、日々感謝。 (E.O)