(89) モンゴル再訪20-野草⑨

モンゴル再訪20-野草8-1

モンゴル再訪20-野草8-2

 宿泊したゲルキャンプの裏山に咲いていた花の中で、最も背の高い野草である。高さは1m前後はあったろうか。その上、茶褐色の茎にピンクの花を輪生状にびっしり付けているので、遠くからでも認識しやすかった。

 これも他の野草と同様で、写真以外の情報がない。しかし、筆者なりの見方は記しておきたいと思った。まず、シソ科だろう・・・そしてハッカかメハジキ,キセワタに近い仲間だろうか?と見当をつけた。次に文献・資料を調べてみたが、大外れはしていないようだが、ピタッと来る種がない。

 困った末に、「社内の植物事典」に尋ねた。彼はしばらく写真を覗きこんで、“フィロミス”ではないか、と言う。そこで植物事典類をあたってみた。しかし、“フィロミス”は出てこない。学名の属の綴りをPhylomisで探ってみたが、見当たらない。インターネット検索でも調べてみたが、しっくり来るものが出ない。

 うーん・・・困った。そこで原始的な探索方法を採用。『園芸植物大事典』(小学館)の索引で、属名の頭にPhの付く種を片っ端から調べていった。そうしたら、シソ科の“フロミス”(Phlomis)に出会ったのだ。

 その中のPhlomis tuberosa(フロミス ツベロサ)によく似ている。花の形状や花色・花序、草丈や茎の形状・色、葉の形等々。ただ、分布域がヨーロッパとされている点が引っ掛かるが。因みに、Phlomis属は和名ではオオキセワタ属とされている。

 ところで この属名を聞くと、某サラ金会社を連想してしまうのは筆者だけだろうか。

名前が分からずとも花があれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)