(83) モンゴル再訪14-野草④

モンゴル再訪14-野草4-1

モンゴル再訪14-野草4-2

 写真上は判断に悩んだ植物である。結論から言うと、“ワカラナソウ3”である。一方、写真下の紫花の植物はおそらくリンドウの仲間と思われる。花形や花序、茎・葉の様子などからほぼ間違いなかろう。

 写真上の植物に関して、最初は簡単に見当がつくかなと思った。それで山野草の本やら色々あたってみたが、該当するような種が見つからなかった。ところが、前号で引用した『地球の歩き方』に載せられていた花の写真の中に、ほぼ同じと思われる植物が見つかった。説明は“ムラサキトラノオの仲間”とあったが、あまり聞かない名前なので事典まで調べてみた。

 そうしたところ、『園芸植物大事典』(小学館)にも、『日本の野生植物』(平凡社)にも、その和名は見当たらなかった。一応、インターネット検索もチェックしたが、名前は引っかかるものはあったが、きちんとした植物学的説明が付いたものではなかった。それで、“ワカラナソウ3”とした。

 写真下の リンドウの仲間であるが、実は撮影対象は本来この植物ではなかった。正面でボケてしまっているが、狙った対象はウスバカゲロウのような昆虫だった。何やら日本のそれとは違うような風情だったので、興味を持ち撮影したのだが、うまく写らなかった。結果的に、ピントはこちらのリンドウの方に合ってしまっていたのだ。

 ところで、こんなに毎日が猛暑だと、ついモンゴルが恋しくなってくる。今頃は日中30℃前後になることがあっても、夜は20℃を軽く下回るんだもの。

猛暑でも帰るべき故郷があるだけで 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(82) モンゴル再訪13-野草③

モンゴル再訪13-野草3-1

モンゴル再訪13-野草3-2

 岩場の周辺で花を付けていた、対照的な植物2種である。草丈があり青紫の花の植物と、草丈が低い白花の植物について記す。 

 写真上は、何やらシソ科のように思える植物だった。しかし、時間がなくて撮影だけだった。それで、葉の匂いも嗅がなければ、茎の形も調べなかった。花崗岩らしき岩の付け根からたくましく生え、その青紫の花は灰白色をバックにして目立った。草丈は50~60cmくらいはあっただったろうか。確かめようがないので、仮称“ワカラナソウ2”である。次回訪問の際にでも、時間があれば調べよう。

 それに対して写真下の植物は草丈が低く、清楚でかわいらしい白花をたくさん咲かせていた。これはナデシコ科のタカネツメクサの仲間と思われる。たまたま、旅行ガイドブックの『地球の歩き方 モンゴル』にも載っていたし、植物事典で一応 確認もした。それで、誤りではなかろうと判断した。(ただし、前者『~歩き方』には植物については若干どうかな?と思える点も見えるが・・・。)

名は分からずとも花があれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(81) モンゴル再訪12-野草②

モンゴル再訪12-野草2-1

モンゴル再訪12-野草2-2

 写真上・下の植物は、ある程度 確信や裏づけがあって名前をあげることの出来ない2種である。こうしたものは少なくない。ただし、この場合でもエイヤッで◯◯の仲間ではないか、◯◯でなければ◇◇ではないか、というレベルの筆者なりの推測は一応記した。

 もともと筆者は植物分類学などの基礎知識を持たない。また今回は時間がなく、詳細な観察を伴わない撮影なので、その植物に関する写真以外の情報がない。こんな上での推測である。全く自信などはないが、問題提起の意味で受け取って頂きたい。

  そうした状況で、写真上はシソ科のイブキジャコウソウの仲間ではないか、という事が分かった。関係資料を調べ、社内の詳しい連中にも意見を求めた。しかし、これはという結論に至らなかった。そうこうしているうちに、植物事典で以下の記述と写真に出会った。「・・・日当たりの良い岩地に生える高さ3~15cmの小低木。茎は細く,地表をはって多く分枝し・・・」(『日本の野生植物 Ⅲ』 平凡社)と記述されているが、だいたいこうした説明は合っている。また、花色も花序もよく似ているし、分布域も中国・ヒマラヤ・・・とある。当たらずと雖も遠からず、ではないか。

 また写真下は、はじめのうちはプリムラの仲間かと思ったが、根出葉がどうもそれらとは違う。花も異なるようだ。そして次に思い浮かんだのは、キンポウゲ科の植物ではなかろうか、という事である。文献・写真もかなりあたってみたが、ピンと来るものは無かった。それで、仮の名前は“ワカラナソウ1”にしておく。

言い訳めくが、名は分からずとも花があれば 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(80) モンゴル再訪11-野草①

モンゴル再訪11-野草1

 左側と手前にある2つの青い花は、デルフィニュウムの仲間と思われる。しっぽのような「距」(きょ)を持つ独特な花形で、その青色が鮮やかである。しかし後で紹介するが、このデルフィニュウムには紫の花色の個体もあった。

 一方、正面の白い花と右上の紫花はマツムシソウ(スカビオーサ)の仲間ではなかろうか。ただし、同じ場所でこのように花色が異なる個体が咲いていたのだ。日本の野生のマツムシソウは淡い紫色が普通のようだが。

 テレルジはウランバートルからクルマで2時間くらいであり、モンゴルでも一級の保養地である。草原、山岳、奇岩、清流などに恵まれ、お花畑と言ってよい豊かな植生も有している。今回からしばらく、そのテレルジに生えていた野草を中心に紹介していきたい。けれど、いかんせん山野草の知識はあまり無いので、詳細な説明等はご容赦頂きたい。

花さえあればどこの国でも 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(79) モンゴル再訪10-草原のヤク

モンゴル再訪10-ヤク

ヤク さま 

前略

 先回ブログで褒めた馬のことは気にしないで下さい。基本的に動植物に関しては、出会った順番に掲載しているのです。あなた方にはあなた方なりの良さがあります。だいたい、皆さんのような哺乳類も存在するという点で、動物の多様性を示してくれているのですから。

 写真は、テレルジの道端にいたお仲間です。現地時間では夕方5時頃でした。

 あなた方を初めて見たのは、最初のモンゴル訪問の時でした。やはりテレルジでしたが、その奥にある樹林帯で20頭ほどのあなた方の群れに突然出くわしました。その時には、生れて初めてみる「怪獣」(失礼!)に驚き、とっさに十数枚も写真を撮りました。

 実は当時は何も知識がなく、あなた方は野生だと思い込んでいたので、その分 感激が増したところがありました。けれど後で話を聞いたら、モンゴルにいるのは家畜化された(失礼!)皆さんだという事でした。

 少しがっかりしましたが、あなた方のユニークさを失わせることではありません。分類上はウシの仲間だということですが、あの角ばった巨体で全身が長い体毛に覆われた独特の容姿は、大半の日本人には馴染みのないものです。見たことのない変なウシなんですから(失礼!)。ですが、そうしたあなた方を形容するとしたら、威厳とか磊落という言葉が浮かんできました。

 ところで、あなた方は多方面でヤクに立っているようで、食肉,乳,毛皮等に利用されるとのことですね。変な冗談ですが万が一、何かあってあなた方の毛皮を利用せざるを得ないとしたら、厚いコタツ布団が2枚は取れるでしょうね。

失礼の数々、お許し下さい。それでは。     草草草   (E.O) 

(78) モンゴル再訪9-草原の馬

モンゴル再訪9-草原の馬

 この馬の群れに出会ったのも、テレルジに行く途中だった。いかにもモンゴルらしい風景の一つである。

 運転をしていたエヘガザル社の人が、馬群がまだ遠くにいる時から その存在に気付いていたようだ。それで、同乗していた好奇心の旺盛そうな日本人のために、気を利かしてくれたのだろう。早めにクルマを止めてくれたのだ。

 十数頭が爪音と共に遠くから駆けて来て、停車していた筆者たちのクルマを気にする様子もなく目の前を通り過ぎ、たちまち駆け抜けて行った。筆者は馬群が大草原の向うに消えるまで見つめていた。こんな光景は日本ではまず望めない。時間にすれば数分だったろうか。感激した!

 同じ放牧家畜でも牛や羊には申し訳ないが、馬の身体には美しさを感じる。それに動きというか躍動感が伴うせいか、清清しさも覚える。そして、それが集団である。モンゴル馬はサラブレッドなどに比べると、足が短いらしい。けれど、どうしてどうしてそんな事は感じさせず、しなやかで優美だった。

 亡父が戦時中は軍馬に乗っていたせいだろう、馬のことには詳しかったし、好きだった。馬券は絶対買わなかったが、一人で日曜の競馬中継はよく見ていた。そして、新聞のチラシの裏などに本人なりの予想をいつも書き記していた。なるほど、競馬を“楽しむ”のはこういう方法もあるのだな、と感心していた。

 その父は、「馬は頭の良い動物だ。人の気持ちを読む。人によっては好き嫌いをすることもある。」と語っていた。そのためか、馬には一目を置いていた。しかし翌日、生れて初めてその馬に乗ろうとは全く想像もしていなかった。

馬の群れに出会って 日々好日、日々感謝。 (E.O)

(77) 洪水の堤外地

洪水の堤外地-1

洪水の堤外地-2

 上の写真は4日前=先月30日の信濃川の洪水に見舞われた堤外地である。参考に載せた下の写真は、(36)号「堤外地の春」に掲載した平常時の同じ場所である。

 先日の大水は、本当に水の恐ろしさすら感じた。半日くらいで 堤外の畑が,ビニールハウスが,温室がしだいに濁流に飲み込まれていった。水面が堤防下4,5mまで迫ってきた。すさまじい水の量であり、勢いだった。もしかして濁流が堤防を越して来るのではないか、とさえ思った。年配の人たちが、「こんげ大水見たことねぇ。53年の時よりひでなァ。」と言っていた。筆者にしても、まさか この地域に市から避難勧告が出ようなどとは考えてもいなかった。

 ここ数年の堤防工事がなされていなかったら、溢水し堤内に濁流が流れ込んだだろう、と多くの人が語っている。筆者もそう思う。なぜなら、その堤防工事によって堤防の高さが3mほどかさ上げされたからだ。

 33年前の昭和53年夏にも豪雨によって信濃川が増水し、当時の堤防で川水が堤防下3,4mにまで達した。その時の大水の様子と、関係者が必死になって水防活動をする姿をはっきりと記憶している。

 ところで今回の大水によって、当社は被害をほぼ免れたと言っていい。けれど、被害を蒙った同業者は何軒もある。彼らは水の引くのを待って、懸命に復旧作業に取り掛かっている。親しい方には可能なやり方で、出来る範囲の応援はしているつもりだが、なかなかままならない。申し訳ないと思っている。

何でも起こるシャバだから、素直に 日々好日、日々感謝 と言えない時もある。 (E.O)

(76) モンゴル再訪8-ホルド

モンゴル再訪8-ホルド

 これは車載式の、いわばチベット仏教風の交通安全お守りなのだそうだ。“ホルド”というらしい。(※モンゴルでは大半の人がチベット仏教徒である。)

 このホルドは、エヘガザル社のD社長が乗るレクサスのダッシュボードの上に取り付けられていた。この銀色の金属製お守りには、様々な装飾や模様が施されている。台座や五角形のワクにも、またそのワクの中で回る円筒部分にも細工がなされている。それらはいずれも宗教的な意味を持っているのだろう。とくに、その円筒には赤や青のガラス玉も嵌め込んであり、念入りに作られたものだ。小さいけれど荘厳で美しい。

 詳しい説明はしてくれなかったし、素人だから的外れかもしれないが、この円筒は実は「マニ車」の一種なのではないか、と思った。チベット仏教の寺院へ行くと「マニ車」という円筒形の独特の用具があり、それを手で回しながらお参りをする。その「マニ車」かもしれない円筒が五角形のワクの中に吊るされていて、走行している間中 ゆっくりとグルグル回るのだ。

 ところで、その動力源は太陽電池だというから面白い。だいたい電池で動くお守り様という発想も、これまたおかしくて興味を引かれた。この最新の高級車に、チベット仏教のシンボリックなお守りが載っている。そして、その電源が太陽電池なのである。このアンバランスな調和!この見事に奇妙なミスマッチ!

 とは言え、ありがたいことに このレクサスのみならず、筆者が乗ったクルマも馬も飛行機も乗り物は全くトラブル無しだった。(乗馬についてはいずれ述べます。)

お守りはどこの国のものでもありがたい 日々好日、日々感謝。 (E.O)